少しずつ減っては来ているものの、通過する列車の本数の多さから遮断棒が上がる時間がとても短い「開かずの踏切」。
そんな「開かずの踏切」の一つが、横浜市戸塚区にある国道1号線の戸塚大踏切です。
東海道線の下り・上り、横須賀線の下り・上りと東海道貨物線の下り・上りの計6本の線路を横断するため、ラッシュ時には1時間中3分しか遮断棒が上がらないと言われています。
ちなみにここを車で通過していた当時の吉田茂首相が、長い踏切待ちに業を煮やしてバイパスを造るよう命じたという逸話まで残っているとか。
※不動坂から線路をオーバークロスする跨線橋をかけて大坂上まで開通させた国道1号線のバイパスはその逸話から「ワンマン道路」とも呼ばれているとのこと。
●戸塚大踏切(2015年2月27日撮影)
この"開かずの踏切"を解消しようとして、様々な工事が行われてきました。
- 人と自転車向けに大踏切の上をオーバークロスする歩道橋「戸塚大踏切デッキ」の新設
- 車向けに線路の下をくぐる市道 柏尾戸塚線「戸塚アンダーパス」の新設
「戸塚大踏切デッキ」は先に完成したものの「戸塚アンダーパス」は普段列車が走る線路の下に道路を通す難工事のため、かなりの時間を要しました。
そして9年3ヶ月という長い歳月を経て、3月25日に開通することが決まったとのこと。
「戸塚アンダーパス」の開通により、役目を終えることになった戸塚大踏切は3月25日の16時を持って閉鎖されることになりました。
ちょっとしたご縁があって、工事が始まった頃から工事の進み具合を良く見ていたこともあり、また風景が変わるんだなぁ…とちょっとだけ感傷に浸ってしまいました。